
携帯電話大手のソフトバンクの元社員が、高速・大容量の新しい通信規格、5Gに関する営業秘密を不正に持ち出したとして、不正競争防止法違反の疑いで逮捕されました。持ち出したとみられる翌日に別の携帯電話会社に転職していたということで、警視庁が詳しいいきさつを調べています。
逮捕されたのは、ソフトバンクの元社員で横浜市鶴見区の合場邦章容疑者(45)です。
警視庁によりますと、おととし12月、自宅のパソコンからソフトバンクのサーバーにアクセスしたうえ、営業秘密にあたる5Gの技術情報に関するファイルをみずからのアドレスにメールで送信し、不正に持ち出したとして不正競争防止法違反の疑いが持たれています。
合場容疑者はおととしまでソフトバンクに技術者として勤めていましたが、ファイルを持ち出したとみられる翌日に、去年、携帯電話事業に本格的に参入した楽天モバイルに転職していたということです。
高速・大容量が特徴の5Gは、ソフトバンクなど携帯電話大手各社が去年3月に、楽天モバイルがその半年後の去年9月にサービスを開始し、対応するスマートフォンが相次いで発売されています。
警視庁は営業秘密にあたるファイルをほかにも複数、持ち出した疑いがあるとみて詳しいいきさつを調べています。
合場容疑者の認否については明らかにしていません。
合場容疑者とは
今回、持ち出されたファイルはパスワードで管理されていましたが、それを知る立場にあったということです。
また、ファイルが不正に持ち出されたのは退社前日のおととし12月末とみられていますが、その1か月ほど前には会社側に退社の意向を伝えていたということです。
元社員の逮捕について、ソフトバンクはホームページ上にコメントを掲載しました。
この中では「元社員が利用する楽天モバイルの業務用パソコンの中に当社の営業秘密が保管され、何らかの形で利用されている可能性が高いと認識しています」としたうえで「今後、当社の営業秘密が楽天モバイルの事業に利用されることがないよう、営業秘密の利用停止と廃棄などを目的とした民事訴訟を提起する予定です。元社員への損害賠償請求も視野に入れ、今後の対応を検討していきます」としています。
また、今回、不正に持ち出されたファイルの中に、顧客の個人情報や通信の秘密に関わる情報は含まれていないとしています。
楽天モバイルを提訴へ
ソフトバンクによりますと、逮捕された元社員に貸し出していたパソコンを去年2月に調べた際、営業秘密にあたるネットワーク技術に関する情報が、不正に持ち出された疑いがあることが分かり、その後、警察に申告したということです。
元社員は通信ネットワークの構築に関わる業務に携わっていたということで、不正に持ち出された疑いがあるのは、4Gと5Gの基地局や固定通信網に関わる技術情報だということです。
ソフトバンクは、これらの情報について「楽天モバイルが何らかの形で利用している可能性が高い」として、今後、楽天モバイルの事業に利用されないよう営業秘密の利用停止や廃棄などを求める民事訴訟を起こす予定だということです。
また、元社員に対する損害賠償の請求を含めた措置も視野に入れて、今後の対応を検討していくとしています。
楽天モバイル「捜査に全面的に協力」
一方、容疑者の転職先の楽天モバイルは「捜査中のため詳細については答えられないが、警視庁の捜査には全面的に協力して参ります」とコメントしています。
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