婚礼大手のワタベウェディングは、私的整理の一種である「裁判外紛争解決手続き(事業再生ADR)」を使って経営再建を目指す方向で最終調整に入った。新型コロナウイルスの感染拡大で婚礼需要が激減し、昨年末時点で8億円の債務超過に陥っていた。19日にも発表する。
主力の海外挙式の多くが中止に追い込まれたほか、国内でも婚礼のキャンセルや延期が相次ぎ、運営するホテルの利用も低迷した。2020年12月期連結決算の最終利益は過去最悪の117億円の赤字だった。
コスト削減のため、従業員の2割弱にあたる約130人の希望退職を実施したほか、国内外の直営店や婚礼会場など約30拠点の閉鎖に踏み切っていた。
ワタベウェディングは1953年に婚礼用の貸衣装業で創業し、海外などリゾート挙式の先駆けとして成長した。東京証券取引所1部に上場している。
事業再生ADRは、政府が認定した第三者機関の調整で、過大な債務を抱えた事業者が金融機関などと協議して再建を進める。
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