■「ちょい飲み」需要が消失 大打撃の背景にあるのは、酒販売の休止と営業時間の短縮だ。これまで日高屋は、ビジネスパーソンが仕事終わりに食事と一緒にアルコールを楽しむ「ちょい飲み」需要を追い風に、業績を拡大してきた。 コロナが蔓延する前の2020年2月期は、日高屋の売上高のうち酒類の販売が占める割合は16.6%。また20時以降の深夜帯の売り上げが売上高の約4割を占めていた。 このちょい飲み需要が、東京都で酒類提供の停止要請が出た4月下旬以降激減し、感染状況が深刻化した8月にはほぼ消滅してしまった。8月の売上高に占める酒類の販売比率は、わずか0.2%だ。
その深刻度はほかの外食店に比べても高い。外食の業界団体である日本フードサービス協会によれば、2021年3~8月期の外食業界全体の全店売上高は前年同期比で7.8%増えた。対して、同時期のハイデイ日高の全店売上高は同20.1%減と苦戦が続く。9月に入ってもなお、同28.8%減と厳しい戦いが続いている。 逆風が吹く中にもかかわらず、ハイデイ日高が力を入れているのが新規出店だ。前期は不採算店舗など24店舗を閉店したが、今期は一転して合計27店舗の新規出店を計画しており、コロナ前の出店水準に戻している。そのほとんどが、売上高の94%を占める日高屋だ。
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