
【ニューヨーク=大島有美子】暗号資産(仮想通貨)交換業最大手のバイナンスは8日、同業大手のFTXトレーディングの米国以外の事業を買収することで合意したと発表した。顧客の解約に伴ってFTXに流動性の問題が発生し、バイナンスが救済買収という形をとる。実現すれば仮想通貨交換業で最大級のM&A(合併・買収)となる。
バイナンスのチャンポン・ジャオ最高経営責任者(CEO)とFTXのサム・バンクマン・フリードCEOがともにツイッター上で明らかにした。買収額は明らかにしていない。現状の合意に拘束力はなく、今後数日内に資産査定を実施した上で詳細を詰める。
両氏によると、FTXの流動性が逼迫し、バイナンスに支援を求めた。バンクマン・フリード氏は流動性問題は解消できるとした上で「顧客は保護されている」と強調した。その上で「決済などにしばらく時間がかかるかもしれない」と述べた。
バイナンスの主要な拠点はフランスのパリとドバイで、登記上の本社はケイマン諸島だ。FTXは中米バハマに本社を置く。両社は世界でサービスを展開しているが、今回の買収ではFTXの米国事業「FTX・ドット・US」は対象外になる。米国でのFTXの交換業は通常通り運営するという。
買収発表前にはFTXが発行するトークン(電子証票)を巡り両氏の衝突が伝わり、ビットコインなど仮想通貨の価格は軟調に推移していた。8日の発表を受け、仮想通貨の価格が大幅に上昇する場面があった。
バイナンスは手数料の低さを売りに、仮想通貨の取引量で他社を圧倒する。英クリプトコンペアによると、バイナンスが仮想通貨交換業の上位15社の取引料に占める割合は21年1月~22年5月までで52%を占めた。
FTXやバンクマン・フリード氏も業界での存在感を高めている。8日投開票の中間選挙で仮想通貨に理解があるとされる候補者に大口の政治献金をしていることで知られる。バイナンスによるFTXの事業買収は、仮想通貨関連の規制に影響を与える可能性もある。
仮想通貨市場の混乱で関連企業が経営難に直面する中、FTXは「仮想通貨のエコシステムを守る」として、相次ぎ救済に乗り出した。バイナンスによる今回の事業買収では救済される側に回る。
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