高知県内各地で接種が進む新型コロナワクチンだが、ファイザー製とモデルナ製の2つが使われている。この2つのワクチンの副反応には違いがある。
ファイザーとモデルナの違いをまとめた。
この記事の画像(10枚)ワクチンの接種回数は、どちらも2回。違うのは「接種間隔」だ。
1回目を終えて2回目を打つまでの期間のことで、ファイザーが3週間であるのに対し、モデルナは4週間と、1週間長くなっている。
続いては「希釈」。これは、使用する際に薄める作業のこと。
ファイザーは希釈の必要があり、病院での個別接種に使われている。一方、モデルナは、希釈の必要がない。さらに、ファイザーのように超低温冷凍庫も必要ない。
現場の医療スタッフにとって管理がしやすく、負担が少ないため大規模接種に向いていて、県内でも職域接種に使われている。
この2つのワクチンの接種を担当した高知市の医師に副反応の違いを聞いた。
接種後2~3日は腫れることも モデルナは管理面でメリット
高知市のつちばし医学研究所で、新型コロナウイルスの遺伝子を解析・分析する武市牧子医師。
武市医師は、医療従事者への先行接種でファイザー製を、中澤氏家薬業の職域接種でモデルナ製ワクチンの接種を担当した。
2つのワクチンは、副反応に違いがあると話す。
武市牧子医師:
モデルナは1週間後ぐらいに打った部位が腫れたり、局所熱をもったり再びするのが特徴だが、軽いもの。気になれば、湿布などをすれば自然におさまる。心配することはない
ファイザーもモデルナも接種後2~3日は、刺した部分が腫れることがある。
そして、その腫れはいったんおさまるが、モデルナは1週間後ぐらいに再び腫れる事例も報告されている。
希釈作業がいらないモデルナ製ワクチンには、こんなメリットがある。
武市牧子医師:
(ファイザー製は)希釈がうまくできなくて、生理食塩水が「多すぎた、少なすぎた」というので廃棄に至った例は、何百と全国で報告されている。モデルナの方が管理しやすい
一般的な変異ウイルスにも効果は同等 安全性は?
また、ワクチンの効果については…
武市牧子医師:
武漢のオリジナルからイギリス型、ブラジル型、インド型など、一般的な変異株に関しては、同等の効果があるとされる
そして、南国市で7月4日、ワクチン接種を受けた高齢者が接種会場で倒れ、死亡したことについて、安全性を尋ねると…
武市牧子医師:
すでにコロナにかかっていた可能性も含め(死亡との因果関係の)立証は困難。リスクは非常に少ない。安全なワクチンとして積極的に打つ方が、メリットは大きい
若者の接種が集団免疫をつくる鍵に
武市医師は今後、感染拡大を抑え込むためのキーワードとして「スーパースプレッダー」をなくすことが大切だと話す。直訳すると「超拡散」つまり、1人が多くの人に感染させることを指す。
武市医師は、若者が感染していることを知らず、街を歩いてスーパースプレッダーになっていると話す。
なぜ、若者がスーパースプレッダーになりやすいかというと、若者は体力があるため、ウイルスを持っていても無症状の人が多いからだという。感染していてもその自覚がないから、いろいろな人に感染させてしまう。
若者を対象にした接種は、順次始まる。武市医師は、多くの若者が接種することが集団免疫をつくる鍵になると話している。
(高知さんさんテレビ)
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