市民と警察が衝突した反政府デモやコロナ禍、そして香港国家安全維持法(国安法)……。暗いニュースが続いた香港だが、実は経済は堅調さを保っている。政治や社会の仕組みは変わり、自由や民主主義は大きく損なわれた。それでも「中国ビジネスのゲートウェー」としての機能を他の都市では取って代われないことが背景にある。(香港=奥寺淳)
おくでら・あつし 1971年生まれ。上海、北京、ワシントンにも駐在。香港は2度目。ここは「米中対立」の最前線でもある。
8月の平日、午後11時ごろ。仕事を終え、冷ややっこ用の豆腐とお総菜を買おうと、繁華街・銅鑼湾(コーズウェイベイ)にあるスーパー「DON DON DONKI」に向かった。日本のディスカウント店「ドン・キホーテ」の香港版。街は人通りが減り始めていたが、店に足を踏み入れると、そこは別世界だった。
人が多い。多すぎる。商品が所狭しと積み上げられているのは日本のドンキと同じで、商品の合間はマスクをした若者やカップル、仕事帰りの人らでごった返している。売り場は4フロアあり、会計のためには上層階からレジがある下層階まで通路の矢印に沿って、遊園地のように並ばなければならない。ほんの3~4品買うだけなのに、どれだけ時間がかかるのかと思うと、買い物をやめようかとためらうほどだ。
特ににぎわっているのが、すしや刺し身、お総菜、和牛の肉売り場。サーモンのすし10貫(70香港ドル、約1千円)と中トロのすし10貫(約2880円)を見比べる人たち。お好み焼きや焼き鳥が山積みになっているお総菜コーナーでは、若い男女が笑顔でおしゃべりしながら買い物を楽しんでいた。
「日本に旅行して買い物しているみたい。コロナ禍で香港から出られない分、旅行気分でドンキに来ています」
ドンキの音楽が頭から離れないという女性看護師(51)は興奮気味に話した。2019年には香港人の約3人に1人にあたる229万人が訪日するなど、極めて親日的な土地柄であることも売り上げを押し上げている。
ドンキは19年7月、九竜・…
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