11月は相場の急回復に伴い、投資家にとって2008年以降で最良の月となったが、強気のマイルストーンにもかかわらず、最近のメルトアップ(劇的な価格上昇)の 経験がウォール街に警戒するよう教訓を与える。
米連邦準備制度が近く金融政策緩和に動く構えとの臆測が幾度となく広がり、慎重な投資家でさえ、せきを切ったような クロスアセットの買いに駆り立てられた。株価が急上昇し、債券利回りは低下し、株式投機家の間で「ミーム銘柄」や暗号資産(仮想通貨)、利益の出ていないテック企業株を含む怪しいコーナーにダッシュが続く展開だ。
簡単に言うと、それが11月だった。ボラティリティーは新型コロナウイルス禍前の水準に低下し、ゴールドマン・サックス・グループのグローバルリスク選好指標は2年ぶりの高水準に近づいた。だが、やはりあらゆる資産のラリーを経て、10%の調整に見舞われた6月と7月の出来事は、不吉な類似点を示す。
今回は違うのだろうか。恐らく。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は1日の講演で、利下げ観測を「時期尚早」と 押し返したが、連邦準備制度の歴史的ともいえる金融引き締めキャンペーンは「ゲームオーバー」と市場の至る所で受け止められている。
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Gains of major ETFs tracking various assets jump to best month since 2008
Source: Bloomberg
同時にリスクオンの活況は金融引き締めというパウエル議長の目標に 逆行しており、行きつ戻りつのダイナミクスは過去のラリー消滅に寄与した。
リチャード・バーンスタイン・アドバイザーズのダン・スズキ副最高投資責任者(CIO)は「このようなシナリオの変化がファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)で正当化される範囲をはるかに超えて市場を両方向に揺さぶってきた。売られ過ぎと買われ過ぎの間で行きつ戻りつ繰り返し変化している」と指摘した。
ヘッジファンド運営会社パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントを率いるビル・アックマン氏は米景気減速の兆候に言及し、「連邦準備制度が早期に利下げを開始しなければ、ハードランディングの現実のリスクがある」と認識を示した。

原題: Wall Street Bets on Soft Landing Again in Best Month Since 2008(抜粋)
(アックマン氏の見解を追加して更新します)
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